Categoryロシア
ロシアの治安は恐ロシア!というわけでもない実情を旅行経験者が紹介!
ロシアは日本から一番近いヨーロッパ。観光にも行きやすいのですが、近隣諸国との紛争が続いているエリアもあります。ロシアに旅行する際に気を付けるべきポイントと対策方法について、旅行経験をもとにまとめました。モスクワの大使館だけではなく各地方の領事館の連絡先も記載しています。
この記事に登場する専門家
冒険と登山が好きな自転車乗り
うなお丸
ロシア観光に行く前にロシアの治安状況を知ろう
こんにちは!うなお丸です。
ロシアは、日本から近く、近代国家のイメージがあるため、ここ数年日本からの観光客が増えている国です。
そのロシアが、世界安全国ランキングでとても低いって知っていますか?
ロシア観光に行く際に気を付けるポイントや対策方法をまとめます!
ロシアについての基本情報
ロシアは、1991年にソビエト連邦が崩壊した後、同じ地に誕生した国家。
ロシア正教や、独特の東欧文化を色濃く残し、美しい観光地がたくさんある場所です。
日本の鉄道ファンがあこがれる「シベリア鉄道」も走っています。
日本からの観光客も大勢訪れていますし、日本の旅行会社も数多くのツアーを組んでいます。
日本から数時間のところにあるヨーロッパ
ロシアは、日本から一番近いヨーロッパ。
新潟や北海道からは、フェリーの航路が出ていて、数時間でヨーロッパにたどり着けるんです。意外じゃないですか?
ヨーロッパの中でも寒く、植物が育ちにくい土地にあったロシアは、暖かくて豊かな地を求めてどんどん領土を東に広げました。その結果、ロシアは世界最大の領土を持つようになりました。
また、未帰属地域である樺太、そして現在領土問題でもめている北方領土などをロシア側が含める場合もあります。
ユーロではなくルーブルを使用
ロシアは、ヨーロッパ圏ではありますが、通貨はユーロではなく、ルーブルを使用しています。
補助通貨単位はコペイカで、ルーブルより細かい支払いの際に使用されます。日本で言う銭のようなものです。
ロシアについての外務省情報治安レベルは「1」
外務省が発表しているロシアの治安情報は、ほとんどのエリアが「1」
渡航は問題ありませんが、十分な注意が必要です、という意味です。
最近はデモが多いため、人々が集まるようなところには近寄らないようにとのことです。
また、紛争が起こっている国境近くや、チェチェン共和国などのロシアの共和国は危険レベル「3」になっています。どうしてもという場合でも渡航してはいけないレベルなので、熟考してください。
在ロシア日本大使館の場所をチェック
万が一のことがあった場合に備えて、旅行の前に日本大使館の場所、電話番号を調べておくようにしましょう。
何かがあった際、駆け込める場所があるというだけで安心感が違います。
住所:Grokhol'skiy Pereulok, 27, Moscow, ロシア 129090
電話番号:+7 495 229-25-50
開館時間:9:30~12:00 14:30~17:30
在ウラジオストク日本国総領事館
住所:Ulitsa Verkhneportovaya, 46, Vladivostok, Primorsky Krai, ロシア 690003
電話番号:+7 423 226-74-81
在サンクトペテルブルク日本国総領事館
住所:embankment river Moyka, 29, St Petersburg, ロシア 191186
電話番号:+7 812 314-14-34
在ハバロフスク日本国総領事館
住所:46, Turgeneva Str., Khabarovsk,ロシア 680000
電話番号:+7 4212 41-30-44
在ユジノサハリンスク日本国総領事館
住所:Kommunisticheskiy Prospekt, 18, Yuzhno-Sakhalinsk, Sakhalin Oblast, ロシア 693010
電話番号:+7 424 272-55-30
シベリア鉄道で行くロシア横断の旅〜予約方法から安全性まで徹底解説!
世界最大の国ロシアでは、シベリア鉄道が国土を横断しています。利用してみたいけれど、安全性や衛生面が気になるという方も多いのではないでしょうか。この記事では、シベリア鉄道で実際にロシアを横断した筆者がシベリア鉄道の予約方法から車内の過ごし方まで解説します。
trip-partner.jp
世界安全ランキング108位
アメリカの金融雑誌が昨年発表した「世界安全国ランキング」World's Safest Countries 2019では、ロシアは128国中108位と、なかなかの低さ。
イギリスの雑誌が発表している「世界平和度指数」Global Peace Index 2019では、163の国と地域の間で154位と、こちらも散々な結果になっています。
これは、街中で暴力沙汰に出会う確率というより、国家間の問題を抱えていたりテロが発生しやすい確率と考えられます。
ロシアの治安問題①……失業率とアルコール
ロシアでの治安問題としてあげられるのは、アルコールの摂取量の多さです。
ロシアにおいてはアルコール中毒は国の問題となるほど大きな問題なのですが、特に、失業した人たちがアルコールを飲んだり、アルコールが原因で喧嘩をするなどといった事態がよく起こっています。
ロシア政府は節酒政策を進めていて、アルコール消費量はここ15年で半分近くまで下がったと言われています。
が、まだまだ酔っ払いは多く、駅などでも、昼間からアルコールを飲んでいて酩酊していたり、よくわからないことを話している人を見かけました。
基本的にはこういった人には近寄らず、そっと離れる、また絡まれた場合などは助けを呼ぶようにしてください。
ロシアの治安問題②……ソ連が崩壊してからの独立の流れの中で
ロシアは元々ソビエト連邦と呼ばれる大きな連邦でした。
ソビエトが崩壊し、ロシアとして国家を作っていく事になり、小さな国々の共同体として新しくスタートする事となりました。
その際、バルト三国といった国々などは無事に独立して現在に至りますが、ウクライナ、チェチェン、ジョージア(グルジア)国境などは現在でも領土問題でもめています。
日本とも樺太と北方領土が問題となっていて、こちらに関してはよく知られるように、現在も係争中です。
首都・モスクワ市内における治安
市街地で気を付けるべきポイント
モスクワの市街地は死角も多く、非常に古い建物もあって、路地裏はいりくんでいます。
そういった路地裏、また駅前などでアルコール類を摂取して倒れている人が多くいます。
そういった方には近づかないようにしましょう。
また暗い路地裏などもあまり入らない方が良いと言えます。
基本的には安全ですが、歩いている最中は時おり周りを見渡すとか、貴重品は衣類の外側からは手の届かないうちポケットに入れるなどという注意は払ったほうが安全だといえますね。
交通機関について
地下鉄
ロシア、モスクワを代表し、また旅行者が利用する事が多い地下鉄。
ですが、エスカレーターのその長さもさることながら、列車に関してもかなり危ない構造となっています。物理的な危険としては列車の扉が勢いよく閉まるや、エスカレーターで転倒する人を見かける事もありますした。
またスリをする集団であったり、置き引きを狙っている集団もいるので、気を抜かないようにしてください。
なお、治安とは関係がないのですが、地下鉄内部にある行き先は基本的には全てロシア語の表記となっています。
似たような名前の駅が多いので、行き先を間違わないように気をつけましょう。
バス
バスなどに乗る際はしっかりと行き先を確認する事が大切です。
バスの表に行き先表示がありますので、確認して乗れば問題ありません。
バスにはいろんな客層が乗り合わせています。スラムが近いエリアを走るバスなどは、客層に気をつけてください。
また、荷物の置き引きもよく発生していますので、貴重品は離さないようにしましょう。
タクシー
モスクワだけではなく、ロシア全土で言える事ではありますが、非正規タクシーや個人タクシーは利用するのを控えましょう。
ぼったくりが多く、ひどい時は到着してから高い金額を言われ、払うまで出してもらえないことも。
基本的に空港前などで呼び込みをしてくるタクシーなどは白タクが多いですし、道路で捕まる流しのタクシーも同等であるといえるでしょう。
空港から、またホテルから呼んでもらう方式を取るのが理想的です。
Yandex Taxi(ロシア語:Яндекс Такси)などのタクシー配車アプリの利用も安全です。
こちらはアンドロイド用
夜間外出は集団行動で
モスクワでは夜間になると治安が悪くなるようなエリアがあります。
飲み屋さんが多いエリア、路地裏、移住者が多いエリアなどに関してはあまり行かないほうが賢明です。
基本的には夜はあまり少人数で出歩かない、急遽出かけることになった場合でも人通りの多いところ、明るいところを歩くなどで工夫する事が大切だと言えるでしょう。
男性なら二人以上、女性なら四人以上で行動するようにしてください。
人々の集まりで注意すべき点
スポーツ観戦の集まりなら
ロシアではサッカー観戦がとても人気があります。
サッカーの試合となるとサポーターの気が荒く、スタジアム内外は大変に危ない状況になる事も。暴れている人たちに巻き込まれないように、しっかりと注意することが必要です。
また、そういった場面に出くわした場合、野次馬根性で近づいたりせず、そっとはなれるなどの対応が必要だといえます。
デモ
ロシア首都圏では現体制に対してのデモなどが割とよく見かけられます。デモ隊と市民、警察官などがもみ合いになる事もあります。
こういった場には近づかず、速やかに立ち去る事が大切です。
白人至上主義者の集会
ロシアでは、それほど黄色人種への差別があからさまではありませんでした。
ただし、いわゆるネオナチと呼ばれる部類の人たちですが、こういった人たちが集会をしていたりする事もあります。
基本的に集会やデモには近づかないようにする方が賢明です。
気を付けるべき犯罪と対処法
置き引き
日本のように、荷物を置いてトイレなどに行き、戻ってきたら荷物が置いたままになっている、ということは、ロシアではありません。
置き引き被害にあうことが多いと言えます。
これは、人目のある空港やホテルなどでも同じであると言えます。
同行者がいるのであれば必ず声かけをしてみてもらう、一人の場合は貴重品を必ず持って運ぶ、などを心がけてください。
また、同行者も現地で知り合った人は他人です。実際に親切心を示してくる人で親切にしてくれる人もいますが、少し懐疑心を持つ事も覚えておきましょう。
私は別の国を旅行しているとき、知り合った現地の人と数日間行動した後、貴重品を丸ごと盗まれたことがあります。
スリ
こちらもロシア全土で報告されている被害の一つ。
人ごみの中を歩いていたら、バスに乗っていたら気づいたらすられていた、美術館に行ったら、また地下鉄に乗った時に集団に囲まれてすられた、など色々な場所で被害が出ています。
その他にも、旅行者にケチャップをかけ、相手があわてている隙に奪う、ケチャップ強盗なども存在します。
しっかりと気をつけて、いっときも油断はせず。
警官の賄賂要求
自分の経験上、2度出会ったのでその例から。
1回目はロシアのモスクワからコーカサス地方へ行った際の帰りに。
帰り道でタクシーに乗ったあと、降りると、そこを待ち伏せされていました。
警察官のような制服の男性に、お前はあんなところ(ロシアからの独立を求める紛争地域)に行ったのかと難癖をつけられ、黙っててやるからお金をくれ、と言われました。
お金は支払いませんでしたが、40分近く拘束されました。
毅然とした態度を取るときはとった方がいいです。
2回目は樺太のユジノサハリンスク市街で警察官に職質され、「ルーブル」と言われました。
悪いことをしていないのに、言われもない事を言われているな、と考えたので、渡したくない旨を話したところ、去って行きました。
どちらのケースにしても、警察官らしき人が話しかけてきましたが、基本的にはお金を払う必要がないので、支払う必要はありません。
無理に拘束されそうになったら、日本大使館に連絡してほしいと要求しましょう。
時として官憲の人が敵になる事もありますから、気をつけておきましょう。(ニセ警官の可能性もあります。)
なお、ロシア旅行中は必ず「パスポート・ビザ・滞在証明」を携帯してくださいね。
テロ(空港の事例を通して)
テロというとロシアの共和国で起こることが多いイメージですが、空港や地下鉄などを含め、ロシア国内でもあちこちでたびたびテロが発生しています。
またそのテロも無差別テロが大半です。
その理由としてはロシア政府が小さい国に対して、ロシアの領土化にあると主張、その上で紛争が起こりその報復として、というケースもあれば、ロシア政府に対しての主張として、というケースもあります。
いずれにしても旅行者にとっては迷惑な話ですが、基本的にはテロになりそうな観光地や大使館の近く、集会、デモには近づかないほか、もし公共の施設で起こった場合は現地の警察官や軍隊の指示に従うなどの方法が必要です。
特に気をつけるべきエリア情報
ウクライナ国境付近
ウクライナ、ロシアとの領土問題から、現在紛争にいたっているといわれています。
現在は、国境付近といえどもウクライナの領土側で紛争が行われています。
が、ロシア領内に波及した時のことを考えるとあまり気軽に渡航できる状況ではありません。
もし訪れる場合は、外務省が発表している情報に注意を払う必要性があります。
チェチェン国境付近
チェチェン共和国に近い地域も、特に注意を払う必要がある地域と言えます。
ここは独立運動が盛んで、かつロシアとチェチェンの双方が自国であることを主張しているためにロシアが侵攻を続けている地域です。用事がなければ渡航することをおすすめしません。
過去にはテロなども発生しています。
ジョージア(旧グルジア)国境付近
ジョージアはコーカサス山脈を挟んで国境を隔てていますが、こちらに関しても注意。
この血にはヨーロッパ大陸最高峰があるエルブルースがあり、私もエルブルースに登るためにいったのですが、人々の雰囲気に緊張感があり、のどかなエリアとは異なっていました。
治安に対する注意書きの看板も見かけています。
特に、山間の国境付近に関しては注意が必要であると言えるでしょう。
樺太
私は、今までに二階、樺太へ行っています。
そのときに感じたことですが、樺太は日本に比べると治安が悪いです。
樺太は日本から最も近いロシア。
過去には南樺太が日本の領土であった事から、稚内との定期船が年に数本出ているほか、北海道、成田からも航空便が出ています。
南樺太に関しては、実際には現在も地図上で白くなっている事からもわかる通り、未帰属の地域ではあるのですが、現在はロシアが実効支配をしている形をとっています。
モスクワからは目が届きにくい地域である事から、警察官の汚職、賄賂などは当たり前だそうです。
また、北樺太は交通網が脆弱であり、他にも街と街を結ぶ道路であっても道路が未舗装の地域もあります。
車を借りる際には注意しましょう。
街はユジノサハリンスク以外の街であれば少し寂れている印象で、夜に細い道を一人では歩いてはいけないと感じました。
交通機関は、正規ではない白タクなども多く見かけました。
ぼったくられることが多かったり、最悪誘拐の危険性もあるので、正規のタクシーをネットで手配するか、ホテルに呼んでもらうようにしましょう。
北方領土
北方領土は日本人でも渡航することが可能です。
北方領土に渡航するには、日本国が主張しており、日本領土として認めた上で交流団などに便乗し、北方四島のいずれかに上陸、渡航する方法が一つ。
もう一つの方法は北方領土のロシアビザを取った上で、ロシア領土と認めた上で渡航する方法があります。
ただ、後者に関しては、日本国民としては避けるべき点であり、外務省からもその方法は取らないようにとの通達が出ています。
ほか、船舶や航空機で渡航するにも非常に高額であり、また何かの問題が起こった際に国際問題に発展する場合もありますので、現状は訪れることは控えるべき場所と言えます。
ロシア旅行に行くなら外交情報をしっかり確認しよう
ロシアでの治安についてまとめました。
私が肌に感じた感想として、街中で犯罪に巻き込まれる危険性はアフリカほどではありません。
ただし、安全度ランキングが示すように、外交問題を抱えているため、国境付近への旅行や街中でのテロには十分に気を付けていかなくてはいけません。
ロシアを旅行する際は、外務省情報などを十分に確認してから行くようにしてくださいね。
筆者のインスタグラムはこちら
モナ王(@mona_ou315)
📷 Nikon D5600/Nikon1 J5風景や旅の写真などを投稿します。
www.instagram.com
ロシアへ旅行へ行く方はこちらもチェック!
冬のロシアに行くひと必見!万全の寒さ対策&防寒服装を在住者がご紹介!
ロシアは寒いから観光シーズンが限られて…と思われているみなさん!服装の対策さえできていれば厳寒のロシア旅行も実は魅力がいっぱいなんですよ!モスクワ在住の筆者が、春夏秋冬の服装と、毎日の生活で得た経験をもとにロシア旅行に役立つアドバイスをお届けします。
trip-partner.jp