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移民の国・アメリカの伝統料理を在住者がご紹介!地域ごとに種類が違います!
アメリカの国民食はファーストフードと言われていますが、実は家庭料理やニューイングランド、南部地方、ハワイ諸島などの昔から伝わる伝統料理があります。移民の国だからこそ様々な民族の文化と融合し、地域ごとに発展してきたアメリカの伝統料理を実際に調理したものを交え紹介します。
この記事に登場する専門家
元アメリカ駐在妻ライター
ハル
アメリカ人の普段の食事ってどんなもの?
こんにちは!元アメリカ駐妻のハルです。
レトルト食品と外食産業の普及により、アメリカの代表的な料理と聞けばチェーン店で製造されたファーストフードをイメージするのではないでしょうか。アメリカ人はハンバーガーとフライドチキンばかり食べている、と思ったら実はそうでもないのです。
アメリカでは各国からの移民が多く、代表的なフレンチ、イタリアン、スパニッシュ、チャイニーズ、コリアン、タイ、ベトナム、インド、メキシカンの他にエスニック料理や地中海料理、その他諸々の料理を楽しむことができます。最近では健康志向の人々も多く、野菜や鶏肉を中心としたバランスのとれた食事を心掛けています。
さらには菜食主義者や宗教上の理由から食事制限がある人への配慮がされており、レストランやデリ、ファーストフード店でも特別メニューを注文することが可能です。
このアメリカの食事事情を垣間見るならば、Whole Foodsのフードバーに行ってみるとバラエティに富んだ食材や料理が並んでいて面白いと思います。
アメリカ料理の特徴
アメリカ料理はイギリスの伝統料理に先住民の文化が受け継がれ、さらにはその他のヨーロッパの国々やメキシコ、アフリカ、アジアなど様々な国の影響を受けて出来上がったものです。広大な土地に多民族が集まっているので、地域によって食文化が複雑に形成され、料理の種類も多種多様です。
地域によって独自の発展を遂げてきたので味つけや調理法が大きく違うという特徴があります。それゆえアメリカの伝統料理の定義づけは難しいです。
共通しているのはどれもシンプルな味付けとボリュームが多いということです。
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アメリカは旅行や留学先として選ばれることが多い一方、文化についてはあまりなじみがありません。アメリカの文化を知らないと生活で困る場面もあります。アメリカの面白い文化や、日本の文化との違い、特徴を見ていきましょう!
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アメリカの家庭料理
冷凍食品や缶詰など手軽に食べられる食事が普及するようになったのは20世紀になってからと言われています。それ以前はアメリカでも料理をする人が多く、各家庭で「おふくろの味」がありました。
マカロニチーズ
ホワイトソースにチーズを加え、茹でたマカロニと和えたシンプルな料理ですが、年齢問わず人気があります。家によって使うチーズが違い、微妙に味が異なります。良質なチェダーチーズ、グリエールチーズなどで作ったものは味わい深いです。家庭料理ではありますが、ファーストフード店からおしゃれなレストランでも定番メニューとして提供されています。
ミートローフ
ヨーロッパ系移民が持ち込んだ家庭料理で挽肉に野菜や香辛料、つなぎのパンなどを加え、型に入れて焼いたものです。この生地をオーブンで焼けばミートローフと呼び、フライパンで焼けば日本人にも馴染み深いハンバーグと呼ばれます。
チキンスープ
鶏肉と野菜の出汁がたっぷりのスープは、ホッとできる家庭の味で日本の味噌汁みたいなものです。そして体調が悪いときに食べる定番の食べ物でもあります。
ポットロースト
野菜やハーブと一緒に塊の牛肉を鍋でゆっくりと煮込む料理です。シンプルで簡単ながら豪華に見えて、おもてなし料理として出されることも。家庭によって煮込む材料は異なります。
地域ごとに発展した伝統料理
各地方の料理方法はその地域に住んでいた移民の文化と地元で手に入る食材が大きく影響しています。大きく分けるとイギリスの伝統を引き継ぐニューイングランド料理、他民族の食文化を融合したケイジャン料理とクレオール料理、メキシコ料理を取り入れたテクス・メクス料理、先住民の食文化から成るアメリカ・インディアン料理、そしてハワイ料理が特徴的です。
アメリカに滞在する際には、各地方で人気な特別な料理を試すことを楽しめるでしょう。
アメリカの伝統料理~ニューイングランド料理~
イギリスからアメリカ東海岸(マサチューセッツ州、ロードアイランド州、コネチカット州、バーモント州、メイン州、ニューハンプシャー州)に渡って移民した人々の食文化を受け継ぐ料理です。
アメリカで手に入る食材を使って故郷の味に近づけるようにしているので、インディアンの食文化の影響が加わっているとはいえ、基本的にはイギリスの伝統的な煮込み料理やロースト料理が多くなっています。また、地元で取れるシーフードをふんだんに使ったシチューやクラムチャウダーも有名です。
サンクスギビングの料理はこれらの質素で高カロリーな食事が起源となっています。
ポークアンドビーンズ
元々は先住民が食べていたベイクドビーンズから生まれました。豚バラの塩漬け(またはベーコン)と糖蜜(またはメープルシロップ)を使って甘い味付けになっています。日本でも大豆とトマトを使ってアレンジされていますが、アメリカでは白インゲンを使います。
クラムチャウダー
ジャガイモ、玉ねぎ、ベーコンが入ったシチューです。アサリやハマグリを入れればクラムチャウダー、白身魚を入れるとフィッシュチャウダー、スイートコーンを入れるとコーンチャウダーになります。
ボイルドディナー
香辛料をもみこんだ塩漬け牛肉(コーンビーフ)と一緒にジャガイモ、人参、玉ねぎといった野菜を煮込みます。コーンビーフを使ったアメリカ版ポトフです。
ブラウンブレッド
アメリカで最初に作られたパンと言われており、コーンミール、全粒粉、ライ麦、糖蜜、で作ります。生地を缶に流し込み、蒸し焼きにします。甘みがありますが、ポークアンドビーンズの付け合せとして食べられます。
ロブスターロール
茹でたロブスターをホットドッグのようなパンに挟んだものです。大抵はマヨネーズ味付けしており、店によってトッピングのこだわりやバリエーションがあります。
南部地方は伝統料理の宝庫
南部料理は、バーベキュー、揚げ物、濃厚なソースや甘いデザートが特徴です。土地柄、インディアンやメキシコ国境からのスペイン開拓者の影響を受け、地元の食材と外国のスパイスを利用して、良く知られている料理が興味深く作り変えられています。代表的なのはルイジアナ州のケイジャンとクレオール、そしてテキサス州のテクス・メクスです。
アメリカの伝統料理~クレオール料理~
ルイジアナ州ニューオーリンズを中心とする料理でフランス、スペイン、アフリカの食文化が混ざり合い、新しい味となった伝統料理です。バターやベーコンを炒めたルウをベースに風味豊かなスープとスパイスのきいた刺激的な味付けを作り上げました。また、イタリアの影響を強く受けていて、トマトソースが使われています。都市の富裕層に保護された洗練した味です。
ジャンバラヤ
ソーセージや鶏肉、海老にスパイスを加えた炊き込みご飯です。アメリカ版パエリアと呼ばれ、調味料はスーパーでも売られている程親しまれています。ケイジャン風との違いはトマトを使っていることで、見た目も赤いです。
ガンボスープ
ルイジアナ州発祥のスープ料理で、鶏肉やシーフード、野菜類を入れて煮込みます。フィレパウダーやオクラでとろみをつけているのも特徴です。
シュリンプクレオール
タマネギ、セロリ、ピーマンの定番三品にエビとトマトを加えてチリソースとスパイスで味付けし、白米の上にかけたものです。ガンボとジャンバラヤの特徴を取り入れていますが、米とスープは別に調理します。
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アメリカの伝統料理~ケイジャン料理~
ケイジャン料理の発祥もルイジアナ州ですがルーツは少々異なります。カナダから来たフランス系移民・アカーディアンが田舎に定住し、地元で手に入る食材を活かして作り上げました。アフリカ原産のピーナッツやオクラ、川や海でとれるザリガニやなまずなどのシーフードを多く使っているのが特徴的です。
小麦粉とオイルを煮詰めたブラウンソースをベースに、ハーブやスパイスの代わりに唐辛子やパプリカを使います。都会的な上流階級のクレオール料理に対し、ケイジャン料理は庶民向けの素朴な料理としてワンプレートで提供されるのが一般的です。
ジャンバラヤ
クレオール料理と似ており、鶏肉やソーセージ、玉ねぎやピーマンなどを入れた炊き込みご飯です。
ガンボスープ
クレオール料理と共通点の多いガンボはスープに入れて煮込む材料はレストランや家庭によって味が違います。
ポボーイ
柔らかめのバゲットでシーフードを挟んだサンドイッチのことです。ナマズやカキ、エビを揚げたものがよく使われますが、元々はカキがオリジナルです。
クロウフィッシュ
ザリガニを茹でてスパイスやバターで味付けして食べます。小さなザリガニの殻を剥くのは大変ですが、南部の人々は春先に食べられるのを心待ちにしています。付け合せには茹でたトウモロコシとジャガイモが一般的です。
アメリカの伝統料理~テクス・メクス料理~
テキサス(TEX-AS)から広まり、メキシコ(MEX-ICO)料理にスペインとインディアンの文化が融合してアメリカで独自に発展した料理です。クミン、唐辛子、コリアンダーに加えて、牧畜がさかんな土地柄もあって牛肉とチーズを大量に使います。レストランで食事をすると、トルティーヤ・チップスとサルサが前菜として出されるのも、独特の習慣です。
ナチョス
トルティーヤ・チップスに溶かしたチーズと具材をトッピングして食べます。トッピングには、牛肉や鶏肉の挽肉、チリコンカン、スライスハラペーニョ、サルサ、ワカモレ、サワークリームなどがあります。ビールに合うのでホットドック、ポップコーンと並んでスポーツスタジアムでよく売られています。
アメリカンタコス
アメリカでタコスとして食べられているのは「ハードタコ」と言われるもので、固いトルティーヤ(タコシェル)を使います。トルティーヤ半分に折って油で揚げ、そこに炒めた牛ひき肉、レタス、トマトなどを挟んで食べるスタイルです。
エンチラーダ
トルティーヤを巻いて具材を詰め、チリソースやチーズをかけてオーブンで焼いた料理です。間に詰める具材は肉や野菜、魚介類など様々です。
チリコンカン
キドニービーンズ、玉ねぎ、トマト、牛挽肉などをスパイスと一緒に煮込んだ料理です。
好みでチーズやパクチーをトッピングします。
アメリカの伝統料理~アメリカ・インディアン料理~
アメリカ大陸の先住民の伝統料理は豆、トウモロコシ、スクワッシュ、ワイルドライスなどをメインに使い、素材の味を活かしたシンプルな料理が多いです。上記で紹介した伝統料理もインディアンの食文化から影響を受けています。ローカロリーで健康的な食事ということで近年スポットライトを浴びています。
ベイクドビーンズ
白インゲンを動物の脂と樹液を加えて煮込んだ料理です。栄養価が高く、現代では保存食としても活用されています。
コーンブレッド
先住民の代表的な食材・トウモロコシの粉を使って作ったパンです。ほんのりした甘みがあり、サンクスギビングにはメイン料理の付け合せとしてテーブルに並びます。砂糖やバターを使ってスイートコーンブレッドと呼ばれるものや、刻んだハラペーニョやパプリカを入れたアレンジも見られます。
グリーンチリシチュー
ニューメキシコ州の定番料理となっています。肉とジャガイモにハラペーニョをたっぷり入れて煮込むピリ辛のスープです。
フライドブレッド
小麦粉を練ってラードで揚げたパンです。元々狩猟民族で自然の恵みから食材を得ていたインディアンですが、開拓者によって住んでいた土地から追われ、栄養不足に陥りました。そのインディアンを保護するために政府が小麦粉やバターなどの高カロリーの食材を提供して生まれました。そのままでも食べられますが、ひき肉、レタス、トマト、サワークリームなどをトッピングしたりもします。
アメリカの伝統料理~ハワイ料理~
ポリネシアからやってきた移民から受け継いだタロイモやバナナ、サトウキビなどから発展していった伝統料理です。また、西洋文化との接触によって持ち込まれた食材を加えて生まれた料理もあります。
ポケ
ポケはハワイ語で「一口サイズ」という意味です。マグロ、サーモン、カツオ、タコなどの新鮮な魚介類を一口サイズに切り、ハワイアンソルトや海藻、ネギと混ぜてご飯の上に乗せた料理です。醤油ベースの味付けは日本の漬け丼に似ています。
ロミロミサーモン
塩漬けサーモンをサイコロ状に細かく切切り、トマトとタマネギを一緒に揉み込むように混ぜた料理です。サーモンは19世紀に、アラスカ帰りの捕鯨船乗組員によってもたらされました。
ポイ
蒸したタロイモをすりつぶしてペースト状にしたもので、古代からハワイアンの主食でした。淡白な味なので、塩辛いものと一緒に食べます。鮮やかな紫色が特徴で、最近では彩りを活かし、ポイを使ったパンケーキやアイスクリームも人気です。
カルアピッグ
豚肉をバナナの葉で包み、蒸し焼きにした料理です。古代ハワイでは地面を掘った窯で長時間蒸し焼きにしていました。ハワイのお祝いの席ではメインディッシュとなる定番料理です。
伝統行事の定番料理
サンクスギビング(感謝祭)
サンクスギビングはアメリカ独自の祝日です。イギリスから移住してきた人々が寒さと食糧難で苦しんでいる時に先住民が食材を分け与え、その感謝を示すために食事に招待したことが起源です。この時に振る舞われた料理を毎年11月の第4木曜日に食べ、あらゆるものに感謝して過ごすのが伝統となっています。
メインは何と言っても七面鳥の丸焼き。2~3日かけて冷蔵庫で解凍し、当日は朝から何時間もかけてオーブンでゆっくり焼きます。詰め物やサイドメニューにもなるスタッフィング、クランベリーソースやグレイビーソースと一緒に食べます。付け合せはマッシュポテト、ヤムイモのロースト、インゲン豆のキャセロール、人参グラッセ、コーンブレッドなどシンプルに調理した野菜が並びます。
クリスマス
直前のサンクスギビングと違って決まりはなく、各家庭で好みの料理を食べます。やはり多いのはダイナミックな肉料理をメインに、付け合せを複数用意する形式です。七面鳥やローストチキンの他に、ローストビーフやハムの塊など様々です。副菜はサンクスギビングと似ています。
イースター(謝肉祭)
キリストの受難にちなんでイースターの直前はお肉を断つクリスチャンも多く、断食解禁日のイースターディナーでは動物性タンパク質が多くなります。ラム肉のローストやベイクドハム、そして半分に切ったゆで卵の真ん中に黄身の詰め物をしたデビルエッグなどが並びます。
伝統のスイーツ
昔から家庭で作られ、祝日に食べられていた代表的なお菓子はパイです。アップルパイ、パンプキンパイの他に、南部の特産ピーカンナッツを使ったピーカンパイ、フロリダで採れるフルーツを使ったキーライムパイなどその土地で栽培される野菜や果物が使われています。
また、イギリスからの移民がスエットプディングの代替品として考案したコブラーは季節のフルーツを使っています。ピーチコブラーやブルーベリーコブラーは日本でも見かけますね。
バナナを縦に切り、アイスクリームとホイップクリームを添えたバナナスプリットやキャンプファイヤーやバーベキューで楽しまれているスモアも伝統のスイーツのひとつと言えるでしょう。スモアは焼いたマシュマロとチョコレートをクラッカーで挟んで食べます。
各地の伝統料理を堪能しよう!
色々な伝統料理をご紹介しましたが、いかがでしたか?ジャンクフードやボリュームのある肉料理ばかりでなく、家庭料理や地域ごとの伝統料理も楽しめるとおわかりいただけたと思います。同じ料理でもルーツの異なる食文化が影響し合って、地域によって味や見た目が異なるのもアメリカらしいです。
アメリカを訪れる際には是非これらの伝統料理を味わってみて下さいね。
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