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イタリアの美術館は規格外!全州制覇者が厳選して予約方法や禁止事項を紹介!
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロが現出したルネッサンス文化以外に、ビザンチン美術もイタリア美術の重要な柱です。今回は、それらに焦点を当ててご紹介致します。また、チケットの買い方、写真撮影や服装に関する注意事項も書き留めておきました。
この記事に登場する専門家
イタリア全州制覇者
アタルマン
イタリアの美術館や教会は世界屈指の名画が目白押し!!
こんにちは、アタルマンです。
今を遡ること約1500年前に古代ローマが滅びた後も、東方では東ローマ帝国(ビザンチン帝国)が健在であり、皇帝権力と教会を中心とするビザンチン文化が起こります。その片鱗は、イタリア本土では、教会のモザイク画等の形で、ヴェネツイアやラヴェンナに見ることができます。
一方、千年近く続いた暗黒の中世の後に、地中海交易による経済的な発展を経験してくるにつれて、フィレンツェやローマ、ヴェネツィアなどの都市国家では、ルネッサンスと呼ばれる古代ギリシャ・ローマ文化の復興運動が起こってきます。
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ラファエロなどの天才が活躍するのは、このルネッサンスの時代です。イタリアは、古代ローマから中世、ルネッサンスを経て近代美術まで、世界最先端の美術・芸術が花開いた国です。
イタリア国内の美術館では、それらの天才たちが作り上げてきた歴史的な名画や彫刻を見ることができるのです。
それでは、必見の作品群を以下にご紹介しますね。
ミケランジェロとラファエロの名画は必見!バチカン美術館(ローマ)
バチカン美術館には、歴代のローマ法王が収集した世紀の名画が沢山展示されています。
全部はとても紹介できませんので、私が見て感銘を受けたものを以下にご紹介します。
この「地図のギャラリー」、私は好きなんです。イタリアは中世には多くの都市国家に分裂していましたが、それらの中世都市国家の地図が、幅6m、長さ120mの廊下の壁一面に描かれているのです。フレスコ画が40枚もあるそうですよ。
「ラファエロの間」にあるのが大作「アテネの学堂」です。
画面中央に立つ二人の人物が、古代ギリシャの哲学者「プラトン」と「アリストテレス」です。左側のプラトンの顔は、レオナルド・ダ・ヴィンチがモデルと言われています。
作者のラファエロ自身も画面右下に描かれていますよ。探してみてくださいね。
バチカン美術館の最大の目玉は、なんと言っても「システィーナ礼拝堂」のミケランジェロでしょう。
「天地創造」を描いた天井画と正面祭壇に描かれた「最後の審判」は、人類全員の宝であると言えましょう。
どちらも修復済みで、ミケランジェロが描いた当時の色彩が見事に甦ったとのことです。
正面のキリストを中心として、地獄に落とされる亡者どもや、地獄から救い出されつつある人々が、静止画であるにもかかわらず、時計回りにグルグルと動いているような、そんな錯覚に陥りそうな名画ですね。
美術館の出口近くには、この有名な螺旋階段があります。1932年に「ジュゼッペ・モーモ」という人によって設計されたとのこと。
優美ですよね。
美術館を出ると大聖堂の内部に出ます。
ここで必見なのがミケランジェロ作の「ピエタ」です。
処刑されたキリストを抱く聖母マリアですが、まあこのマリア様の若々しく清楚なこと。とても500年前の女性とは思えませんよね。
【バチカン美術館の詳細情報】
住所:Viale Vaticano, 00165 Roma RM, イタリア
電話番号:+39 06 6988 4676
営業時間:09:00 - 16:00
予算:
入場券: 年齢:18歳以上 1 枚あたり EUR €27.9(約3500円)
入場券+オーディオガイド: 年齢:18歳以上 1 枚あたり EUR €31(約4000円)
割引入場券: 年齢:6歳~17歳、または、18歳~25歳の学生(学生証の提示) 1 枚あたり EUR €13.9(約1800円)
割引券+オーディオガイド: 年齢:6歳~17歳、または、18歳~25歳の学生(学生証の提示) 1 枚あたり EUR €20.9(約2600円)
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イタリア・ルネッサンス最盛期の名画がずらり!ウフィッツィ美術館(フィレンツェ)
フィレンツェのウフィッツィ美術館です。
「ウフィッツィ」というイタリア語は、英語では「Office」を意味します。すなわち、フィレンツェ共和国の政庁があったところなのです。後年になって、この場所が美術館になった後も「ウフィッツィ」という名前で呼ばれ続けたということです。
そのウフィッツィ美術館には、ルネッサンス期をはじめとする世界に冠たる名画が、ズラリと勢ぞろいしています。
この美術館に来たなら、何と言ってもボッティチェリでしょう。
まずは「ヴィーナスの誕生」
これも美術の教科書に必ず載っているボッティチェリ作「春」
こんな名画が目の前でじっくり鑑賞できるなんて、素晴らしいことです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「受胎告知」
初期の作品だそうですが、天使の羽の描き方が凄いです。毛の一本一本まで描きこまれているのです。
ミケランジェロ作「聖家族」
さすがは彫刻家だけあって、衣装のしわの立体感とか、光の当たり具合とかが素晴らしい。
ラファエロ作「ヒワの聖母」
子供を慈しむ女性の優しさが良く出ていますよね。
【ウフィッツィ美術館の詳細情報】
住所:Piazzale degli Uffizi, 6, 50122 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 294883
営業時間:08:15 - 18:50
予算:20.75€(約2500円)/人(各種割引あり;以下のサイトを参照ください)
なんと言ってもダビデ像!アカデミア美術館(フィレンツェ)
フィレンツェのアカデミア美術館です。
ここへ来るお客さんの全員が、このミケランジェロ作のダビデ像を見に来るはずです。
素晴らしいですね。まるで生きているみたい。
腕に浮き出ている血管までも忠実に彫られているのは脅威ですね。
もっとも、ミケランジェロ本人は、彫刻を掘っているという意識は更々無かったようで、「大理石の周囲を削って、石の中に閉じ込められていた人を救い出しただけだよ」と嘯いていたそうです。
それこそ天才の証ですね。
【アカデミア美術館の詳細情報】
住所:60, Via Ricasoli, 58, 50122 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 294883
営業時間:08:15 - 18:50
予算:16€(約2000円)/人(各種割引あり;以下のサイトを参照ください)
ラファエロの三聖母が見られます。ピッティ宮殿のパラティーナ美術館(フィレンツェ)
ラファエロ作「小椅子の聖母」
丸い構図の中に、聖母と子供たちが自然な形で収まっています。
これもラファエロ、「大公の聖母」です。子供のキリストが厳しい顔をしているのが印象的です。
【ピッティ宮殿の詳細情報】
住所:60, Via Ricasoli, 58, 50122 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 294883
営業時間:08:15 - 18:50
予算:10€(約1250円)/人(各種割引あり;以下のサイトを参照ください)
フラ・アンジェリコの「受胎告知」。サンマルコ修道院(フィレンツェ)
サンマルコ修道院の廊下の壁に、一見無造作に描かれているように見えるのが、フラ・アンジェリコ「受胎告知」。
美術史の教科書には必ず載っている名品です。
【サンマルコ修道院の詳細情報】
住所:Piazza San Marco, 3, 50121 Firenze FI, イタリア
電話番号:+39 055 088 2000
営業時間:08:15 - 13:20
ティントレットの「天国」。ドゥカーレ宮殿(ヴェネツィア)
ローマ、フィレンツェに続くルネッサンスの中心は、ヴェネツィアです。
サンマルコ広場の白亜の殿堂、ドゥカーレ宮殿は、ヴェネツィア共和国の政庁だった建物です。
これはドゥカーレ宮殿の最も大きな部屋「大評議会の間」です。
ヴェネツィア共和国在りし日には、ここが政治の中心でした。
その「大評議会の間」の正面に描かれている巨大な絵が、ヴェネツィア派の巨匠ティントレット作の『天国』です。
世界一大きな油絵と言われているだけあって、圧巻ですね。
【ドゥカーレ宮殿の詳細情報】
住所:Piazza San Marco, 1, 30124 Venezia VE, イタリア
電話番号:+39 041 271 5911
営業時間:08:30 - 19:00
予算:28€(約3500円)/人(各種割引あり;以下のサイトを参照ください)
レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(ミラノ)
さあ、ミラノに舞台を移しましょう。
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の修道士たちの食堂だった部屋の壁に、レオナルド・ダ・ヴィンチの名品があります。第二次大戦の爆撃を奇跡的に生き残った作品です。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」です。
近年行われた修復により、色彩が鮮やかに甦りました。
中央のイエスが弟子たちに向かって「あなた方のうちのひとりが、私を裏切ろうとしている。」と予言の言葉を発した瞬間を切り取った絵です。
弟子たちの驚く表情が印象的です。
【サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の詳細情報】
住所:Piazza di Santa Maria delle Grazie, 20123 Milano MI, イタリア
電話番号:+39 02 467 6111
営業時間:08:15 - 18:45
予算:15€(約2000円)/人(以下のサイトを参照ください)
イタリアにはビザンチン文化の傑作も目白押し!
これまでは、ルネッサンスの天才たちを中心に観てまいりましたが、これからは、ビザンチン文化の傑作群をご紹介しますね。
イタリア本土のビザンチン美術といえば、ヴェネツィアとラヴェンナが双璧だと思います。
それではご案内しましょう。
ビザンチン様式の傑作 サンマルコ寺院(ヴェネツィア)
さあ、今度はビザンチン文化をご紹介しましょう。
舞台は再びヴェネツィアに戻ります。
ここは世界で最も有名な寺院の一つ、サンマルコ寺院です。
上の写真右側の「4頭の馬の銅像」は、13世紀初頭の第四次十字軍の際に、戦利品としてコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)から持ち帰ったものです。
写真左側、翼のあるライオン像の時計塔は、通称「ムーア人の時計塔」と呼ばれています。
サンマルコ寺院の内部は、豪華絢爛たる黄金のビザンチン文化です。
遥々アフリカから持ち帰ったサンマルコの遺体が安置されています。
【サンマルコ寺院の詳細情報】
住所:Piazza San Marco, 328, 30100 Venezia VE, イタリア
電話番号:+39 041 270 8311
営業時間:08:30 - 19:00
予算:無料(ただし有料エリアあり;以下のサイトを参照ください)
サン・ヴィターレ聖堂とガラ・ブラキーディア廟(ラヴェンナ)
ビザンチン文化の粋は、エミリア・ロマーニャ州のラヴェンナにもあります。
街の中心、サン・ヴィターレ聖堂とガラ・ブラキーディア廟は、一つの敷地の中に納まっていますので、両方を一度に観覧できます。
サン・ヴィターレ聖堂。
東ローマ帝国の威信をかけた構造物だけに、立派なものです。
サン・ヴィターレ聖堂の内部です。豪華ですね。
世界史の教科書にも載っているユスティニアウス大帝のモザイク画です。
首都コンスタンティノープルの暴動の際、「もうだめだ、逃げよう」と観念したユスティニアウス大帝に対して、「逃げるなんて論外! この場で皇帝として死になさい!!」と皇后テオドラに一喝されて立ち直り、見事に暴動を収めたとの逸話が残っています。
サン・ヴィターレ聖堂に隣接するガラ・プラキーディア廟
外から見るとこじんまりした建物ですが、内部は清らかで静かで、無限の宇宙を感じさせる空間です。
乱世を生きた人が「死後の世界だけは穏やかなものを」と願った、そんな西ローマ帝国滅亡期に生きた女性、ガラ・プラキーディアの願いを感じます。
この部屋に居ると、ヨーロッパというよりは、むしろ日本の寺院や茶室の精神世界に近いものを感じるのは私だけでしょうか。
いちばんピッタリ来る四文字熟語は「諸行無常」かな。
【サン・ヴィターレ聖堂とガラ・ブラキーディア廟の詳細情報】
住所:Via San Vitale, 17, 48121 Ravenna RA, イタリア
電話番号:+39 0544 541688
営業時間:10:00 - 16:45
予算:10.5€(約1300円)/人(割引あり;サン・ヴィターレ聖堂、ガラ・ブラキーディア廟、S. Apollinare Nuovo聖堂等のセット券です。以下のサイトを参照ください)
サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂(ラヴェンナ)
東ゴート王国の王テオドリックによって建設された教会ですが、6世紀に東ローマ帝国に編入されたため、ビザンチン様式のモザイク画が数多く残っているのです。
上の写真の真ん中の三人は「東方三賢人」
この写真では分かりませんが、精緻なモザイク技術の結晶とのこと。
聖母マリアとキリストの像です。
こちらもビザンチン様式のモザイク画です。
ダンテの墓
ダンテはフィレンツェ人ですが、騒動に巻き込まれてフィレンツェを追放されてしまいます。戻れば死刑ということで、やむなくイタリア中を亡命した後、このラヴェンナで亡くなります。
最近ようやく、フィレンツェ市議会はダンテを許すことに決定したそうです。
【サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂の詳細情報】
住所:Via di Roma, 53, 48020 Ravenna RA, イタリア
電話番号:+39 0544 541688
営業時間:10:00 - 16:45
予算:10.5€(約1300円)/人(割引あり;サン・ヴィターレ聖堂、ガラ・ブラキーディア廟、S. Apollinare Nuovo聖堂等のセット券です。以下のサイトを参照ください)
チケットの予約方法
イタリアの美術館は、以前は入場券を買うのに並んで、その後で、入場するのにまた長蛇の列というのが当たり前でしたが、最近はインターネットの事前予約ができるようになったため、随分スムーズに入れるようになりました。上述の各美術館ホームページから予約できます。
ただ、基本的にはイタリア語か英語になりますので、語学の苦手な方は二の足を踏むかもしれませんが、限られた単語しか出てきませんので、頑張ってトライしてみてください。クレジットカードの情報が必要なので事前にご準備くださいね。
お得な買い方
フィレンツェやローマのように、多くの美術館がある街では、一か所だけの入場券を買うよりも、複数の美術館に入場できるパスを買った方が割安になります。
服装に関する注意
寺院や修道院に入る際には、肌や素足を露出するような服は避けてください。また、スリッパやサンダルも厳禁です。
最近はテロ対策が厳しくなってきていますので、入場する際にセキュリティ・チェックが必要な美術館が多くなっています。その場合は、空港と同じように、持ち物検査があることを承知しておいてください。
イタリアで行っておくべき美術館のまとめ
今回は、ルネッサンスとビザンチン文化を中心に、必見の美術館を紹介しました。いかがでしたでしょうか?
いずれの美術館でも、美術史の教科書に必ず載っている名品をご自身の目で見ることができます。是非、この機会に訪れてみてください。
また、今回は限られた数しか紹介できませんでしたが、イタリアは、各州ごとに独自の文化を持ち、独自の美術館を持っていますので、機会がありましたら、日本人があまり行かないような小さな街を訪問してみるのも楽しいと思います。
それでは、またの機会にお会いしましょうね。
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