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インドの貧困はいつまで続くの?スラム支援経験者がインド貧困の実情を報告!

2019.07.24

インドに行ったことある人は、道路わきのちょっとしたスペースなどで生活している人たちの集団を見ませんでしたか?今回はインドの貧困についてお話します。重い話題ですが、いつまでたっても無くならないインドの貧困の現状と原因を探ってみましょう。

この記事に登場する専門家

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ライター・翻訳家

Y.M

若い頃から旅が大好きです。55カ国は巡ったでしょうか。今では名所旧跡というよりは、マイナーな国や地域の空気感、暮らしている人の生活感を体感するのが好きです。はまっている国はインド。スラムの子どもたちの支援をしているので、通算30回以上訪問し、長期にも暮らしていました。旅のコンセプトは生活しているように旅をすることです。これからもマイナーな地域の魅力をどんどん発信していきますね。

  1. インドの貧困①現状
  2. インドの貧困②インドの農村の様子
  3. インドの貧困③都会のスラムの様子
  4. インドの貧困④教育の機会を失う子どもたち
  5. インドの貧困⑤スラムの子どもを見る大人の目
  6. インドの貧困⑥政府の姿勢
  7. インドの貧困⑦なぜ?なぜ?
  8. なんとかしたいけれど、無くならないインドの貧困
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1990年からの経済政策で、国としてのインドは目を見張るような発展を遂げてきました。でも貧困は無くなっていません。ますますひどくなっているようにも見えます。

 

農村部の状況は福祉政策が進み、徐々に改善されているのですが、都市部の状況は依然として最悪です。未だに路上で生活している人やその日の食べ物を求めて物乞いをしている人が多くいます。この状況はインドの抱える病だと言えます。

貧困層って?

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現在インドの人口13.5億。そのうち、28.5%が貧困層です。貧困層とは、都市部で1日33ルピ(約51円)、農村部で1日27ルピ(約42円)以下で生活している人を指します。

 

いったいこのお金で何が買えるというのでしょう?インドの物価はどんどん上昇しています。日に41ルピ(約64円)で生活している人は貧困層には入らないだけで、苦しい状況は同じです。

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ガンジーは「インドは田舎が素晴らしい!!」といった言葉通り、インドの田舎は、とてものどかで美しいです。牛糞をこねて造った壁や土間(蚊よけになる)や広々としたスパイス畑(上の写真参照)など緑に溢れています。


そのような良い環境にある住み慣れた農村から、わざわざ何も持たずに都会に出たということは、食べていけないほど困窮していたのでしょう。


遺伝子組み換えの綿の種子を借金してアメリカの企業から買い、天候不順で不作。返済金もままならず自殺する農民が何千人といます。

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都市部の貧困層は公園内や空き地などに勝手に粗末な家を作り、家族単位でスラム生活をしています。スラムはもちろん違法です。しかし、政府も立ち退かせることが出来ずに、そのままになっているようです。

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筆者は大都市ジャイプル(ラジャスタン州の州都)に住む4つのスラムの子ども達の学習・給食支援を20年間していますが、ほとんどの子どもたちが栄養失調です。

 

無料の政府立小学校にすら行かせてもらえない子ども、たとえ行けても1~2年でドロップアウトした子どもたちが午前中だけ青空学校に集まってきます。読み書きを勉強して、給食を食べて帰ります。

学校は4つあって、一つはスラムのコロニー(集団)、橋げたの下、公園内の空き地、もう一つはムスリム(イスラム教徒)の居住地区で、住民の有志が自分の家の1部屋を教室に開放してくれた場所です。

 

教育効果?難しいですね。子どもたちは学校に来たり来なかったりで積み重ねができません。特にお祭りのシーズンには田舎に帰って、学校で習ったことはすっかり忘れて戻ってきました。いつまでたっても文字の初歩を行ったり来たり!

給食目的?

それでも親は給食が出るので、午前中だけ子どもを学校にやります。給食はバターミルク(乳清といわれる上質の牛乳。日本ではホエイと呼びますね。)や豆のおかゆなどです。

 

スラムの学校は午前中だけなので、午後、子どもたちは大きな空き袋をもってくず拾いにでかけます。スラムに住む親の多くはアルコールにおぼれ、ブラブラしている人もよく見かけました。

貧困の再生産

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親が教育を受けていないことが、子どもへと貧困を再生産していきます。その結果、インドの貧民数はいつまでたっても減りません。

 

スラムに住んでいる大人はペットボトルなどのごみを拾って回収業者に持ち込んで1ルピ、2ルピ(2~3円)のわずかなお金を稼いだり、子どもに物乞いをさせて、それを巻き上げ、アルコールを買ったりしています。

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支援をしているスラムの子どもたちを公園にピクニックに連れて行った時のこと。公園内の建物で田舎の風景写真展をしていました。子どもたちは整然と静かに写真を見ていました。ある子がその中の写真を指さして、「僕が住んでたとこだ!」と言いました。

 

その直後、公園管理者がきて、子どもたちは追い出されてしまいました。NGOのスタッフが、「ここは金持ちの人だけの場所か?!」と声を荒げていたことを思い出します。管理者は「展示物が傷んではなんですので、、、、」と口ごもっていました。

橋げたの下の学校の衛生状態

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スラムができている場所は基本的には州が所有している土地を不法占有しているので、水道やトイレといった設備は見当たりません。

 

ある時、筆者はスラムの子どもたちに、手洗い、歯磨きの習慣をつけて欲しいと思って計画したのですが、水がないのではどうしようもありませんでした。最近、州政府が大きな水タンクを置いてくれるようになったようです。

オランダの医師も give up!

数年前、オランダの医師がスラムの子どもの健康チェックにわざわざ来てくれました。結果、子どもたちの全員が鉄分不足などの栄養失調状態で、不潔でした。

 

オランダ人医師3人は1か月の予定で来てくれたのですが、全員が胃腸障害を起こし、スラムの衛生状態に耐えらえず、1週間で帰ってしまいました。看護師を雇うお金を寄付してくれたので、今では常駐のインド人看護師がいます。

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政府は都市流入者がこのように棲みつくことを奨励していないというか、恥部のように思っています。こんなことがありました。政府要人がジャイプルを訪問するという2日前、突然スラム街が消えたことがありました。どこかへ移されたのですね。

 

数日後、何もなかったかのようにスラムの住民は戻ってきました。NGOスタッフは怒りの声をあげ、訴えましたが無視されました。

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インドの貧困の元凶はカースト制度です。カースト制度とは世襲制の身分制度で、低いカーストにいる人は貧困から抜け出せません。


法的には70年近く前に撤廃されたのですが、インド人の心の中に強く染みついて残っています。そして、日々の生活の中でそれが如実に表れてきます。

 

インドは人口が多く、仕事が足りません。そのため、低カーストの人たちは雇い主(高カースト出身者)からの安い賃金でも、我慢しなくてはならないのです。カーストについては別記事で詳しくお伝えしますね。

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以上、インドの貧困に苦しむ人たちの様子をお伝えしました。裕福なインド人が自国の貧困について無関心という訳では決してありません。


私が一緒に支援活動をしているNGO長はラジプートと呼ばれる上流階級の中でも上位に属する人ですが、20年間変わらず自己資金を使ってスラムの子ども支援を続けています。

 

このような人が一人でも増えてくれることを祈るばかりです。昨日入ったニュースでは今後インドのNGO活動には政府の強いチェックが入り、海外から寄付を受け取れない体制に変わりつつあるということです。

この団体は筆者が支援活動をしているNGOです。興味がある方は、以下の連絡先を参考にしてください。そして、ジャイプルに行く機会があれば、是非お立ち寄りください。


Prahlad Singh Shekhawatwww.prahladsingh.net

Director of Alternative Development and Research Center, Jaipur

Writer & Freelance Journalist

Mobile : 0091 9829184468          Email: Director: prahlad1380@gmail.com